かの日の歌【四】
漢那浪笛
ささへかねたる苦痛の重さ!
心と肉とは、時ふるへり。
年わかき
悲哀とその
きほひは、
何日きゆべき! あわれ迷はしきかな。
人通りの
繁き町へゆかむ、
南!旧暦十五夜の
黄金の涙を
たゝへし町へ!
そこにはあまき
女の声、
暗の中に紅きルビーの如くゆれる。
吾れはそこにゆかむ、
かわほりの如く、
――そこに歓楽の響きを聞くべし!
●表記について
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